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ウワサの資格探偵団
森林インストラクター 小菅智彦さん 森林インストラクター

小菅智彦さん


いつ訪れても神秘的な姿を見せてくれる森林と、
人との付き合い方を自分なりの方法で提案したい
森林インストラクターとはどういった活動をされるのですか?

社団法人全国森林レクリエーション協会主催の資格で、森林を利用する一般の方に、森林や林業に関する適切な知識を提供し、森林の案内や野外での活動を指導することが目的です。仕事として携わっている方もいれば、余暇を利用して活動される方もいます。具体的には、森林の中の生態系を案内したり、林業体験を指導したり、森林の中でのゲームやマツボックリや葉っぱ、小枝などを利用したクラフト指導など、さまざまな活動があります。

小菅さんはどういうカタチで活動されているのですか?

ボクは、自然の中を案内するなど、職業として活動していますが、それだけではまだまだ厳しいものがある。そこで、専門学校にキャリアカウンセラーとして席も置いています。また、以前勤めていた会社が広告代理店でして、その関係で広告プランナーの仕事も請け負っています。二足ならぬ、三足の草鞋を履いている状態ですね。

なぜ森林インストラクターになられたのでしょうか?

もともと自然が好きで、若い頃からスキーやカヌーに親しんでいました。年齢が上るにつれ、プレイ中に周囲を見渡す余裕ができてきたんですね。スキーにしてもカヌーにしても、自然の中でプレイしますから、周囲を見ていると、樹木を中心にした自然界の競争や共存関係を目にすることができて、それが楽しくなりました。年齢的にも将来を考えるようになり、好きなことを仕事に結び付けられたらと、43歳の時に資格取得のための勉強をするようになりました。

受験のシステムはどういったものですか?

森林インストラクター 小菅智彦さん試験は年に一回、9月にまず4科目の一次筆記試験が行われ、11月に二次試験、面接、12月に発表です。ボクは、43歳の12月から日本園芸協会の通信教育を利用しました。それから全国森林レクリエーション協会が夏に行う8日間の集中講座に参加。試験の1ヵ月前には朝5:00に起きて、8:00の出勤までの3時間を勉強時間にあてました。その甲斐あって、44歳で合格。受かったら会社を辞めようと思っていたわけではないのですが、ちょうど自然と人間の共生、環境問題、生涯教育といったものが重要視される世の中の風潮もあり、これはチャンス!と思ったんですね。45歳で会社を辞め、北海道のニセコへ移り住みました。
思い切った決断ですね?

ところが、ニセコでは冬がきつくて(笑)。夏はいいのですが、冬は雪に閉ざされてしまって、ガイドの仕事もなく、誰とも会話をしない日が続いてしまうことがあり、寂しくて断念(笑)。東京へ戻ってきました。まあ、資格を取っただけでまだまだ知識は足りない。北海道へ行ってしまうと北の植生しか目にできないということもあり、北、南関係なく、もっと森林に関する知識を習得しなければいけないという焦りもありました。さまざまな植物を目にすることができるという点でも、集客の面でも東京は便利ですね。
東京ではどうやって仕事を探してのですか?

今思うと非常に無謀なことをしたと思います。日本は水も豊富ですし、自然も手に届く場所にあるという感覚があって、自然に対してお金をかけようという意識が少ない。ですから、我々のような森林インストラクターが、その資格だけで生活をするのはたいへんです。待っているだけでは仕事はきませんから、ユーザーに自然に関わるサービスを提供していたり、レクリエーションを提供するような可能性のある企業に売り込みにいくなどしています。それでも森が林が木が好きだから、苦ではありません。サラリーマン時代よりも充足感はありますよ。
この仕事の魅力を教えてください

森林の案内などで、お子さんが喜ぶ姿を見た親から、「ありがとう」と感謝されたり、定年退職で生きがいをなくなされていた方から、「森に来て、人生の希望を見つけた」と声をかけられたりすることがあります。そんなとき、この仕事を選んで本当によかった、と思います。ボク自身も生きがいをもらってます。森林というものは、同じ場所でも行く度に新しい発見があります。森を歩くだけではなくよく観察すると、木々が競争しあって、共存しあって、努力している姿を見ることができます。それの延長線に我々人間の暮らす環境がある。神秘的だと思いませんか?
今後の活動を教えてください

最近、クマやサルが人家に出るといった事件が多発しています。これは、宅地の造成などで、昔は存在していた、動物はここまで、人間はここまでといった里山や雑木林などの緩衝地帯がなくなってきているから。少しずつ人間を含む生態系のバランスが崩れています。なんとかしなくてはいけない。そういった考えを一般の方へ広げていくお手伝いをしていきたい。ボクは専門に植物学を学んだわけではないので、学術的な知識は薄いと思っています。もちろん今後も勉強しなくてはならないのですが、その代わり、社会に出て、企業に勤めていたという強みもあると思っています。その経験から、人間が持つオンとオフの時間と森林をうまくコラボレーションさせることができたら、と考えています。例えば、木から学ぶ自己啓発といったように。ボクの持ち味、ボクらしさが出るのではないか。そういった点が、今後の課題ですね。
森林インストラクター

森林を利用する一般の方に対し、森林や林業に関する適切な知識を提供し、森林の案内や森林内での野外活動の指導を行うものを指す。資格試験は社団法人全国森林レクリエーション協会が主催し、毎年9月の一次試験と11月の二次試験からなる。一次試験では、森林、林業、森林内の野外活動、安全及び教育の4科目についての筆記試験。二次試験では、一次試験の合格者を対象に、実技試験と面接が行われる。なお、一次試験の合格科目は、合格年を含め3年間有効。受験費用は18000円。合格後は協会での登録が可能、登録料5000円が必要となる。登録されると、登録証、証明書、バッチが交付され、毎年森林インストラクターの登録者名簿に森林インストラクターとして紹介され、名簿は都道府県、教育委員会等の関係機関に送付される。登録の有効期間は5年間。
社団法人全国森林レクリエーション協会
東京都文京区後楽1-7-12林友ビル6F
TEL/03-5840-7471
http://www.shinrinreku.jp/top/index.html

森林インストラクター・小菅智彦さんの連絡先
kosuget@east.cts.ne.jp

取材・文/岡田晴海
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