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臭気判定士

(社団法人におい・かおり
環境協会)

重岡久美子さん
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臭気判定士とはどんな資格ですか?

嗅覚測定法に基づいて臭気サンプルを採取して、正常な嗅覚の持ち主に臭気の有無を判定してもらうなど、臭気測定法に基づいた測定全体を管理・統括する責任者の資格です。
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臭気判定とはある臭気を何倍に希釈すると悪臭として感じなくなるかを、正常な嗅覚を持つ6人のパネラーによって判断してもらう判定試験。もっとも嗅覚の鋭かった人と鈍かった人のデータを除いた4人の平均値から、希釈倍数の数値をはじき出す。この時、希釈倍数が低すぎて臭気が強く感じられすぎては嗅覚がそれに慣れてしまったり、希釈倍数が高すぎて最初から臭気が感じられないというのでは正確な判定ができません。そのあたりの微妙な調整、正確な測定を行うためにパネラーに心理的な影響や疲労が出ないように気を配ったりしなければならない重要な役割をします。平成8年4月1日に改正悪臭防止法が施行され、臭気指数規制の導入に伴って国家資格となりました。現在約2100人の臭気判定士がいます。

専用の機器を使って臭気の物質22成分を数値で明確に弾き出す測定法もありますが、これは計量士という別の資格があります。ただ、各々の成分が基準値を下回っていても人間の鼻、嗅覚が不快と感じることも多々あります。だから人間の感覚で臭気を判定することはとても重視されているんですよ。 |
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どういう人が取得しているのですか?

臭気などの分析に携わる人がもっとも多いですね。脱臭装置を製造する機械・プラント系の事業にかかわる人も、脱臭の効果判定をするために、人間の感覚を重視して臭気判定士の資格を取っています。最近は環境問題に対する意識が高まり、工場などを持つ企業はISO14001を取得しているところも増えています。そこで自主的な環境管理の際に臭気判定を外部に委託せずに自社社員でしようとする企業も出てきていますね。 |
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どうして臭気判定士の資格を取得したのですか?
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| 大学時代に衛生学部(現理学部)産業衛生学科衛生工学研究室に属し、ニオイの世界の奥深さに触れました。臭気の分野はまだまだ未解明の部分が多く研究し甲斐のある分野なんですよ。ちょうど大学を卒業した平成8年に、第1回の臭気判定士の試験があり、取得しようと思いました。 |
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試験の内容を教えてください。
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臭気判定士試験の試験科目は5科目です。鼻に入った臭いをどう感じるのかや、臭いに慣れるとはどういうことなのかなど嗅覚の特性、におい物質の特性に関する「嗅覚概論」。それから臭いに関する法律上の規制などの「悪臭防止行政」。「悪臭測定概論」は臭いの元となる物質や、それを機器でどう測定するのかなど臭気の測定法に関するもので、「分析統計概論」は、測定したデータを統計的に推定するものです。最後は臭気測定の実務内容に関する出題で「臭気指数等の測定実務」があります。

この臭気判定士試験に合格するだけでは臭気判定士にはなれません。このあと、全国50ヶ所にある最寄りの嗅覚検査機関で正常な嗅覚の持ち主かどうかの嗅覚検査に合格してはじめて臭気判定士の免状が交付されるのです。 |
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嗅覚検査ではやはり嗅覚が鋭くないと合格できないのですか?

そんなことはありません。正常な嗅覚の持ち主であれば合格します。検査の方法は、花の香りやキャラメルや桃の缶詰、樟脳、蒸れた足の匂いなどに例えられるような5種類の基準臭を嗅ぎ当てるものです。嗅覚の鋭さを測定する訳ではないんですよ。 |
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重岡さん自身、受験勉強には苦労しましたか?

大学時代の基礎知識がありますから、まったくの素人というわけではないのですが、それだけに「絶対に、落ちることはできない」と必死で勉強しました。平日は仕事があるので土日は受験勉強に当てて。何とか合格できました(笑)。 |
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臭気判定士としてどのような仕事をしているのですか?
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| 環境問題として大気汚染や水質汚濁はポピュラーですが、「悪臭」というのも非常に深刻な問題のひとつ。全国で年間2万件もの悪臭の苦情が寄せられている現実があります。私も行政や企業などの依頼主から依頼を受けると臭気を発している現場に出向いて、サンプルを採取し、分析機関に判定してもらって、そのデータに基づいて拡算計算をしたり、報告書を取りまとめたり、それ以外に臭気判定士向けの講習会で講師をしたり、幅広いです。 |

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ひどい悪臭のところに出向いたり苦労も多いのでは?
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| 臭気に対する許容範囲は広い(笑)。サンプル採取のために臭気の発生現場に近い場所に出向くと、自分にも臭気が移るんです。シャワーを浴びて臭いを落としても、やはり残っているのか、帰りの電車内で周囲の人が「なんだか臭くない?」とささやくことも。「すみません…私です」と心の中で思っています(笑) |
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今後はどのような抱負を抱いていますか?

最近は、癒し効果のあるアロマテラピーなど香りのニーズが高まっていますね。アロマの知識も習得して、人を不快にする臭いを減らすために活用できたらいいですね。 |
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臭気判定士試験

社団法人におい・かおり環境協会が臭気判定士試験を行う。年1回の開催で、6月中旬から受験申請書を配布、7月中旬から9月中旬まで受験申請受付、11月中旬に試験を実施する。学歴、実務経験は問わず18歳以上が受験資格となり、受験料は1万8000円。平成16年度の試験結果は合格者293人で、合格率は42%。

試験会場は東京、大阪、名古屋の3ヶ所で開催。この臭気判定士試験に合格すると嗅覚検査(別途9000円)を受け嗅覚の適格性を測定。受験は全国50ヶ所の委託検査機関でいつでも受験することができる。臭気判定士試験と嗅覚検査に合格して初めて臭気判定士の免状が交付される。

http://www.orea.or.jp |
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取材・文/橋本伊津美 |
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