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きのこアドバイザー
西田誠之さん

キノコを通して地球環境や社会へ
貢献していきたい  |
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きのこアドバイザーとはどういった資格ですか?

きのこアドバイザーとは、キノコに関心のある一般の方々に対して、天然及び栽培キノコに関する知識を付与したり、その利用について助言、指導を行ったりするための資格です。林野庁管轄補助事業の一環として、日本特用林産振興会が主催しています。現在全国に156名のきのこアドバイザーがいます。 |
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資格を得るためにはどうすればいいのでしょう?

一週間の専門研修を受講することが必須要件です。応募の際には、所属する会社や団体の長などの推薦を得て、キノコに関する論文を提出して、審査を受けなければなりません。審査をパスすれば、研修を受講することが出来ます。私は所属していた登山クラブの会長から、推薦して貰いました。研修では、わが国の一流の菌学者や研究者の皆さんの講義を受講できます。各種資料による机上学習や採集実習、また顕微鏡による観察等、盛りだくさんの研修を経て、適任と判断されれば、きのこアドバイザーとして登録されます。 |

※写真/タマゴダケ。卵のような、白い袋を破って、成長してくる、美味なキノコです。 |
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キノコの魅力を教えてください。

キノコというのは、皆さんに親しまれている割には、その実態が正しく理解されていません。学問的にも解明が遅れ、長い間、動物や植物以下の下等なものとされてきたのですね。本当は、高等菌類というものが、自分の子孫を残すために作り出す生殖器官、それがキノコの正体なのですが、一般には、なかなか正しく理解して貰えない。

でもキノコをはじめ菌類全体が、自然界にあって、植物や動物同様とても大きな役割を果たしています。植物が光合成で有機物を作り出して、それを動物が食べていますが、その植物や動物が滅びる時、それを分解して、もとの無機物に返すことが出来るのは、菌類だけなのですね、キノコはそういう大きな役割を担って、私達の前に顔を出しているのです。

また、分解者としての役割だけでなく、中には、樹木の生育を助けながら、自らも共に生きているものもあります。マツタケやホンシメジも、そういうキノコの仲間です。

そんな大きな役割を演じながら、我々の食料にもなってくれる。しかも、とても健康にいい食料です。もっとも、中には猛毒のキノコもありますが(笑)。もともと菌類は、味噌、醤油、納豆、パン、チーズ等の食品や、酒、ビール等、またペニシリン、ストレプトマイシン、抗腫瘍剤、漢方薬などの薬品等、人類との関わりも深く、知れば知るほど魅力的な生き物です。 |
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なぜきのこアドバイザーになったのですか?

山が好きで、若い頃から時間を見つけては登山をしていました。いつの間にか、日本三百名山まで制覇していました。しかし、いくら山を歩いていても、案外植物やキノコの名前は知らないんですよ。それで、キャンプする時等に食べられるキノコを見分けられたらいいなぁと思って、図鑑で少しずつ種類を覚えていったんですね。

登山中にキノコを見つけて、その日の宿所で鍋に入れたり焼いたりして食べていると、「そんなキノコが食べられるのですか? おいしいですか?」と人が集まってくるんですね。そのうち、「あいつはキノコのことをよく知っているぞ」とウワサが広がったみたいで、ハイキングに呼ばれたり、また、さまざまな人達が私の説明を熱心に聞いてくれたり、なんだかうれしくて、誇らしくて。キノコに関する知識が増えるのも楽しいんですが、そういった人とのコミュニケーションも楽しい。

そういう単純な理由から始まって、前述したように、菌類の自然界における大きな役割を知って、ますますキノコが好きになった。それで、定年退職を機に、きのこアドバイザーの研修を受けました。 |

※写真/オニテングダケ。まだ、幼菌だが、すでに毒性を持っている可能性があります。 |
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きのこアドバイザーの資格をどう活用していきたいですか?

天然のキノコのことは、名前が解れば、誰だって親しみがわくし、楽しいでしょう。まして、それが美味しいキノコなら、一度は味わって見たいと思う人も多いでしょう。天然のキノコは、それぞれ香りも味も個性豊かで、一度食べたら忘れられない程美味しいものもあります。しかし、その為には、豊富な経験や正しい知識が必要です。 スーパーで売っているシメジ類やナメコ、マイタケ、エノキタケ等も長年の研究で作りだされたもので、我々の食文化に大変な貢献をしています。シイタケは、最近中国からの輸入ものに押され気味ですが、本来は、日本の宝といってもいい名菌です。

現在、日本には、少なくみても5000種類以上のキノコがあるといわれていますが、そのうちの半分も、まだ解明されていません。まだまだ、学問的にも未知の領域の多い分野なのです。今後も新種が沢山発見されるでしょうし、また、すでに知られたキノコからも、我々人類に大きく貢献する食料的価値や薬品的な効能などが発見されるかもしれません。反対に毒キノコによる事故も後を絶ちませんが、しかし、キノコの専門医は、まだわが国には一人もいないのが、現実です。

そういうキノコや菌類全般に関する基礎的な知識を多くの人に知って貰うこと、また、それによって、自然環境や生活が守られ、何か、社会的に、また学問的に、貢献できることがあれば、と願っています。 |
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きのこアドバイザー

日本特用林産振興会が主催する資格。取得には、キノコの有用を広くアピールする意欲と、関係団体からの推薦状、一週間の泊り込みによる研修が必要。詳しくは下記ホームページを参照。

http://www.nittokusin.jp/index.html |
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取材・文/香山玲子 |
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