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もっと身近に家紋の存在を感じてもらう、それが私の使命です

紋章上絵師
波戸場承龍さん
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紋章上絵師とは?

紋付きや留袖などの着物に家紋が入っています。この家紋を上絵筆(極細の筆)で墨描きすることを「上絵」(うわえ)といって、その職人を「紋章上絵師」と呼びます。家紋のはっきりとした起源は定かではありませんが、平安時代に公家たちが自分の持ち物や衣服、牛車などに入れ、自己誇示や美の表現手段として用いていたそうです。公家紋、武家紋を経て元禄時代「家紋」は庶民に開放され一気に花が開きます。上絵師はいわば家紋デザイナーなわけですから、今までの形や形式にとらわれず自由な発想で草花や道具、自然現象までも紋にし、技を競い合ったことで美しさに益々磨きが掛かり、世界で類を見ない、優れたデザインを生み出してきました。今でも数千種類もの家紋が受け継がれています。 |
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紋章上絵師になった経緯は?

明治時代の末、祖父が京橋で紋屋をはじめ、私は3代目として生まれ、幼少の頃から抵抗なく、父と同じ道を進むものだと思っていました。高校卒業後、本格的に上絵を学ぶため、紋章上絵師の福田昭三氏に弟子入り。日本人の持つ、物や自然に対する捉え方、造形の深さ、美しい物への感性に魅せられ、家紋の奥深さを再認識しました。ひと言で紋を描くといっても、すべて手描きなので高度な技術が必要です。例えば筆で1本の線を描くにしても、太さや濃さを一定に保たなければなりません。円は分廻し(竹製のコンパス)に筆を付けて描きます。丸い円を描くにしたって同じで、そうそうバランスよく描けないもの。自分の納得のいく線を描けるまでに、たくさんの時間を費やしました。 |
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今後の展望は?

今、どれだけの人が自分の家の家紋を知っているでしょうか? 各家々に家紋を持っていることは、世界的にも誇れることです。子孫繁栄の願いを託し、先祖代々受け継がれてきた文化遺産ともいえる家紋を、皆さん自身が後世へ伝えてほしいと願い、私は若い世代の人たちに、敷居の高いイメージのある家紋をもっと身近に感じてほしいという強い思いから、昨年より「ユナイテッドアローズ」さんを通じて家紋の刺繍入りTシャツを販売させていただいています。今までにない試みだったのですが、販売開始してからというもの、若者向けのファッション誌で取り上げられるなど、家紋に興味を持ってくれた人たちが増えてきているようです。今年はTシャツだけでなく、家紋入りの合財袋なども制作しています。今後も、自分なりの方法で幅広く伝えていく、それが私の使命だと思っています。
取材・文/スタイルワークス |
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