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着物を着ることで、いつもと違う自分に変身できる

着つけ講師
井上由美子さん
着物を着る魅力は?

洋服よりも着物はハッキリと印象が変わりますから、いつもと違う自分になれます。着物は帯幅やお太鼓の大きさ、後ろから見たときの帯の表情の出し方を変えるだけで、山の手の奥様か料亭の女将さん、女中さんなのか、その役柄になれる着つけの仕方がある。それに、日本人には無意識のうちに「着物っていいな」と感じるDNAを持っているものです。外国人にはない感覚ですよね。「今日はキメたい」というとき日本人ならやっぱり着物。スタイルはよくても、洋服では外国人にはやっぱり負けちゃいますから。
着つけを教えることになったきっかけは?

20歳くらいのときから着物が好きで、当時は母による自己流の着つけを無理やり教えられました。それに私自身が人をきれいにすることが大好き。女優業もしていたので、きれいにする側もしてもらう側の気持ちもわかるんです。実はもともとの肩書きはトータルビューティコンサルタント。着つけのほかにも、ヘアメイク、エステまで教えてきました。
着つけを教えるには資格が必要ですか?

着つけの世界にはいろんな流派があって、学校によって着つけのやり方が全く違ってきます。でも、どんな学校に通っても、どんな立派な資格や経歴があっても、実力がなければダメ。技術やキャリアの方が重視される実力主義の世界ですね。私が教えているのは、自分で着つけられるようになりたい一般の生徒さんと、人に着つけをしてあげるプロの人。ひと言で着つけといっても、授業や勉強する内容が全く違ってくるんです。
授業のモットーは?

コーリンベルトなどの便利な器具を使って、とりあえず着られるように教えるのは嫌ですね。器具の扱い方を練習するのだって大変なんです。私の基本ポリシーは必要以上のものは体につけないこと。ビシッと着ているように見えても、実はゆったりしている着つけを目指しているんです。着物は締めつけられて苦しいものという言葉を死語にしたい。それに、着つけの練習は普段使わない筋肉のストレッチをやっているのと同じですから、まじめにやり続ければ痩せますよ(笑)。
この仕事でよかったと思えることは?

私にとって着物は仕事着ですが、仕事を通じて楽しもうとしています。若いときは「仕事は仕事」って思っていたけど、いまはそれじゃあつまらない。趣味と実益を兼ねていないと嫌なんですね(笑)。その着物のよさを、もっと若い人にも楽しんでもらいたいですね。一生着られる洋服なんてないけど、私の着物は30年近く着ているものが7割もありますから。

取材・文/樹里アンナ
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