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患者さんの「ありがとう」の言葉がなによりうれしい

看護師
鈴木美香さん
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なぜ看護師になろうと思われたのですか?

母にすすめられたのがきっかけです。母は私に何か資格をもって仕事をしてほしかったようで、高校受験を控えた頃、「看護婦さんはどう?」という話になって。身内に医療関係者がひとりもいなかったので、私が看護師になれば、何かあったときに役に立てるかなという考えもあり、近くの公立高校の衛生看護科へ進学することに決めました。以前、父が大きな手術をしたことがあって、そのとき、看護婦さんの献身的な仕事ぶりを目にしていたこと、自分では父にほとんど何もしてあげられなくて、「もし、私が病気や医療に詳しかったら……」と、もどかしい思いをしたことも動機のひとつになっています。 |
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看護師という仕事のむずかしさは?

誰かが病気になったり、まして入院したりすれば、そのご家族にとっては、精神的にも、体力的にも、経済的にもたいへんな負担となりますし、なかには身寄りのない患者さんもいらっしゃいます。じつは、患者さんやご家族の抱えておられるさまざまな事情によって、私たちが計画した治療・看護が十分に行なえないことも少なくないんです。実際の医療現場は、看護学校で学んだ、この病気には、こういう治療、こういう看護、この薬といった医学的な知識だけでは成り立たない面があります。患者さんひとりひとりと向き合い、その方の状況、背景を考慮しながら、どんな治療・看護ができるのかを考えていかなければなりません。 |
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看護師にとって大切なことは何だと思われますか?

まず「健康」でなくては勤まりません。いろんなことに興味を持ち、吸収しようという「好奇心」も大切です。意外なことが仕事のヒントになることもありますし、何かに一生懸命になっていると、それが患者さんにも伝わるものなんですね。看護師は、自分自身が生き生きとしているのも仕事のうち。いつも元気にしていることで、患者さんに安心感を抱いてもらえるような存在でなくてはならないと思うんです。もうひとつは「観察の目」をもつこと。患者さんの病気だけを見るのではなく、その人自身をいろんな角度から、いろんな目で見てあげる。その患者さんには何が必要なのか。どんな看護をしてあげればいいか。どうすれば病気の再発が防げるか。「観察の目」がなければ、自分で考え、行動できる看護師として、治療の一端を担っていくことはできません。 |
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看護師をしていてよかったと思うことは?

患者さんは、病状もさまざまですし、病気のせいで精神的に不安定な方もおられますから、コミュニケーションがうまくいかない場合もあります。また、どんなに一生懸命看護させていただいても、患者さんが亡くなってしまわれることもあって、そういうときは本当にやりきれない思いです。激務とストレスで私自身病気になってしまったこともありましたし、もう看護師を辞めようと思ったことも何度もあります。でも、看護師は「ありがとう」と言ってもらえる仕事なんですね。患者さんやご家族からの「ありがとう」があるから、この仕事を続けていけるんだと思います。
取材・文/水尾裕之 |
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