|
 |
  |
対象となる言語だけでなく、日本語のセンスも重要です

フランス語翻訳・通訳
伊藤なおみさん
 |
|
 |
 |
 |
通訳と翻訳とはどのように違うのでしょうか?

頭の使い方が全く違いますね。通訳はその場でリアルタイムに訳すので、言葉を途切れさせないような頭の使い方になります。一方、翻訳は文字として残るのでじっくりと考えます。特に専門的な内容の文章は細かく調べておかないとなりません。ゆっくりで良いのですが締切がありますので、それを必ず守るよう心がける必要がありますね。 |
 |
 |
 |
どんな文章を訳すことが多いのですか?

私の場合は、フランス語学校から法定翻訳の依頼を受けることが多いです。法定翻訳とは、日本で発行された証明書とそのフランス語訳が同一の内容であることが公的に証明されている翻訳のことを指します。具体的にはフランスに留学する際に学生が大使館に提出する書類などです。 |
 |
 |
 |
翻訳の仕事に就くには、どのようなことが必要でしょうか?

対象となる言語が分かっていることに加えて、2つあると思います。1つはTPOに応じた日本語をきちんと書ける能力。せっかく日本語に訳しても、それが難解だったりしたら伝わらないですから意味がないのです。もう1つは、広く浅く知識を持っていること。翻訳者だからといって全ての文章を訳せるわけではありません。例えばお医者さんが専門用語を駆使して話していたら、日本語でそれを聞いたとしても分からないですからね。ですので、全部のことを知っている必要はないので、全く知らない分野を少なくしたり、自分の得意な分野を持っていたりすると、仕事のときには強みとなります。これから翻訳の仕事を目指す方には、それこそスポーツ新聞から純文学まで、幅広いレベルの日本語を読んでおくことがお薦めですね。 |
 |
 |
 |
お仕事の中で難しいことは?

観念を指す言葉を訳すときですね。日本語にない観念や感情ですと、1個の日本語にできないときもあります。辞書のような説明を訳文の中に入れてしまうと、文章としてはぎくしゃくして、読んでいる人は結局分からなくなってしまいますので、その点を巧みに訳すコツが必要ですね。たとえば、映画の字幕として訳すときなどは、1画面に入れられる文字が最大で「13文字×2行まで」と制限されているので、1つの単語の訳語として何行も書き連ねることはできないのです。また、知らない分野の翻訳を依頼されたときにも大変でしたが、かえって勉強にもなって好奇心が満たされましたね。案外、入り込んでみるとおもしろさに気付かされる、なんてことも多いです。 |
 |
 |
 |
翻訳作業には欠かせないという、電子辞書・辞書・映画翻訳用のDVDプレイヤー・手帳
取材・文/常山剛 |
 |
 |
 |